2026年8月14日更新|警察庁・警視庁の最新情報をもとに解説
「自転車を車で追い抜くときは、1.5m空けないと違反になる」――そんな話を聞いたことはありませんか?
結論から言うと、「1.5m」が法律で一律に義務化されたわけではありません。
2026年4月1日に改正道路交通法が施行され、自動車等が自転車等の右側を通過する際、十分な側方間隔がない場合には、その間隔に応じた安全な速度で進行することが求められるようになりました。
さらに警察庁は、安全な通過方法の目安として、
この記事の結論
- 1.5mは法律上の固定された義務ではない
- 警察庁は「少なくとも1m程度」空けることが安全と案内
- 約1mを確保できない場合は20〜30km/h程度が速度の目安
- ただし1m・20〜30km/hはあくまで目安で、道路状況などによって変わる
- 普通車で違反した場合、反則金7,000円・基礎点数2点となる場合がある
つまり重要なのは、「1.5mぴったり空けること」ではなく、自転車との距離が近いなら十分に速度を落とし、危険な状況では無理に通過しないことです。
この記事では、2026年4月から始まったルールについて、「1.5mは本当に義務なのか?」「1mなら大丈夫?」「何km/hまで落とせばいい?」「違反するとどうなる?」といった疑問を分かりやすく解説します。
※2026年4月からは「側方間隔」と「間隔に応じた安全な速度」が重要です
用語について:
この記事では分かりやすさと検索される言葉に合わせて「追い越し」「追い抜き」と表現しています。道路交通法第18条3項の厳密な規定は、自動車等が同一方向に進行する自転車等の右側を通過する場合について定めたものです。
第1章|自転車の追い越しで「1.5m」は義務?
まず、一番気になる「自転車との間を1.5m空けなければ違反なのか?」という疑問から整理しましょう。
1.5mという距離が、そのまま法律上の固定値として義務化されているわけではありません。
現在、警察庁が安全な通行方法の目安として明確に示しているのは、「少なくとも1m程度の間隔を空けることが安全」という内容です。
ポイント
・「1.5m空けないと即違反」ではない
・警察庁が現在示している安全目安は「少なくとも1m程度」
・法律では「十分な間隔」という考え方が採用されている
・十分な間隔がなければ「間隔に応じた安全な速度」が必要
なぜ「1.5m」という数字が広まった?
自転車との側方間隔については、以前から「1m」「1.5m」といった数字が安全啓発などで使われてきました。
そのため、「2026年から1.5m空けないと違反になる」と受け取られがちですが、現在の警察庁の案内では、少なくとも1m程度の間隔を空けることが安全とされています。
重要なのは、数字だけを見て判断しないことです。
自転車は路面の段差や障害物、風などによって進路が変化する可能性があります。道路幅や対向車の有無なども含め、十分な余裕を持って通過する必要があります。
1mあれば必ず違反にならないわけではない
ここも大切です。
「1m空いている=どんな状況でも安全」「1m未満=必ず違反」という単純なルールではありません。
警察庁も、1mや20〜30km/hという数字について「あくまで目安」であり、具体的な走行状況・道路状況・交通状況などによって異なると説明しています。
第1章まとめ
・1.5mは法律で決められた一律の義務値ではない
・警察庁の目安は「少なくとも1m程度」
・1mという数字だけで違反の有無が決まるわけではない
・距離と速度、道路状況をセットで考えることが重要
第2章|2026年4月1日から何が変わった?
2026年4月1日、改正道路交通法の「側方通過」に関する規定が施行されました。
大きなポイントは、自動車側だけでなく、自転車側にも通行方法が定められたことです。
| 対象 | 2026年4月からのルール |
|---|---|
| 自動車等 | 自転車等との間に十分な間隔がない場合、間隔に応じた安全な速度で進行する |
| 自転車等 | 該当する状況では、できる限り道路の左側端に寄って通行する |
自動車側は「距離が近ければ速度を落とす」
十分な距離を確保できるなら、できる限り間隔を空けて通過します。
一方、道路が狭いなどの理由で十分な間隔を確保できない場合には、その距離に応じて安全な速度まで落とす必要があります。
「接触しなければOK」という考え方ではなく、自転車が安全に走行できる余裕を確保することが重要です。
自転車側にも「できる限り左側端」のルール
自動車が安全に側方を通過するため、自転車側についても、該当する状況ではできる限り道路の左側端に寄って通行することが定められています。
ただし、「左に寄るためなら危険な場所を走ってよい」という意味ではありません。
路肩の段差や排水溝、駐車車両などがある場合には、自転車自身の安全を確保することも重要です。
注意:
道路交通法第18条3項の規定は、同一方向に進行する自転車等の右側を通過する場面について定められており、歩道や自転車道を走行している自転車など、対象にならないケースもあります。
第2章まとめ
・新ルールは2026年4月1日に施行済み
・十分な側方間隔がない場合、自動車は安全な速度で進行する
・自転車側も該当場面では、できる限り左側端に寄る
・双方が安全に通行できる状態を作ることがルールの目的
第3章|安全な距離と速度は?警察庁の目安を解説
では実際に、自転車の横を通過するときはどのくらい距離を空け、どのくらい速度を落とせばよいのでしょうか。
2026年現在、警察庁は次の目安を示しています。
警察庁が示す目安
① 自転車等の右側を通過するときは、できる限り間隔を空ける
② 少なくとも1m程度の間隔を空けることが安全
③ 約1mの間隔を確保できない場合は、20〜30km/h程度で運転する
※1m・20〜30km/hはいずれも目安。実際の状況に応じた安全運転が必要です
「20〜30km/hなら必ずOK」ではない
ここは誤解しやすいポイントです。
20〜30km/hは「この速度なら絶対に違反にならない」という基準ではありません。
たとえば、自転車との距離が極端に近い、子どもが乗っている、雨で路面が滑りやすい、道路が非常に狭いといった状況では、さらに速度を落としたり、通過そのものを待ったりする判断が必要になる場合があります。
迷ったら「無理に抜かない」が安全
狭い道路で対向車も来ている状況では、数秒待つだけで安全に通過できるケースもあります。
- 十分な距離を取れるまで待つ
- 対向車が通過してから追い抜く
- 距離が近い場合は十分に減速する
- 安全が確保できない場合は追い抜かない
第3章まとめ
・警察庁の安全目安は「少なくとも1m程度」
・約1mを確保できなければ20〜30km/h程度が目安
・どちらも固定された法定数値ではない
・危険な状況ではさらに減速、または通過を待つ
第4章|違反するとどうなる?反則金・点数を確認
「新ルールはマナーなの?それとも違反になるの?」と気になる人も多いでしょう。
今回のルールは単なる推奨ではなく、道路交通法に定められた通行方法です。
普通車側は反則金7,000円・2点
十分な間隔がないにもかかわらず、その間隔に応じた安全な速度で通過しなかった場合、「歩行者等側方安全通過義務違反」に該当する可能性があります。
| 項目 | 普通車 |
|---|---|
| 反則金 | 7,000円 |
| 基礎点数 | 2点 |
ただし、違反かどうかは「1m未満だった」という数字だけで機械的に決まるものではありません。実際の側方間隔、速度、道路状況、交通状況などを踏まえて判断されます。
自転車側にも反則金が設定されている
自転車側についても、該当する状況で「できる限り道路の左側端に寄って通行する」義務に違反した場合、「被側方通過車義務違反」となる可能性があります。
軽車両の反則金は5,000円です。
なお、自転車の交通違反によって、自動車運転免許の点数が加算されるわけではありません。
「1mをメジャーで測って取り締まるルール」ではありません。
距離・速度・道路状況などを総合的に考え、「安全な側方通過だったか」が重要になります。
※距離不足のまま高い速度で通過するのは避けましょう
第5章|特に注意したい4つの危険シーン
側方間隔だけを守っていても、道路環境によって危険性は大きく変わります。
特に注意したい場面を見ていきましょう。
① 狭い道路で対向車が来ている
最も無理な追い抜きが起きやすい場面のひとつです。
対向車を避けようとして左へ寄りすぎると、自転車との側方間隔が急激に狭くなることがあります。
対向車が過ぎるまで待ち、その後に十分な距離を確保して通過するのが安全です。
② 駐車車両の横
路上に駐車している車の横では、突然ドアが開く「ドアリング」に注意が必要です。
自転車が駐車車両を避けるため、急に右側へ進路を変える可能性もあります。
自動車側は「自転車は直進し続ける」と決めつけず、余裕を持って通過しましょう。
※駐車車両付近では自転車が右側へ動く可能性も想定しましょう
③ 交差点の直前
交差点付近では、自動車の左折と自転車の直進が重なることで危険な状況になりやすくなります。
交差点の直前で「先に抜いてしまおう」と急ぐより、自転車の位置を確認し、安全なタイミングを待つ方が安心です。
④ 雨・夜間
雨天では路面が滑りやすくなり、夜間は自転車を発見するタイミングが遅れる可能性があります。
晴天・昼間と同じ感覚で通過せず、より余裕のある距離と速度を意識しましょう。
第5章まとめ
・狭い道路では対向車が過ぎるまで待つ
・駐車車両付近では自転車の進路変更を想定する
・交差点直前で無理に抜かない
・雨や夜間は普段以上に余裕を持つ
第6章|自転車側もできる安全対策
今回のルールは自動車側だけの話ではありません。
自転車側も「後ろから来る車に早く気づく」「自分の存在に気づいてもらう」「万が一に備える」という3つを意識すると、より安心して走行できます。
① バックミラー|後方確認を補助する
自転車で後方を確認するとき、大きく振り返るとハンドル操作が不安定になりやすくなります。
バックミラーがあれば、後方から接近する車を確認するための補助として使えます。
② ライト|自分の存在を知らせる
ライトは暗い道路を照らすだけでなく、車などから自転車の存在に気づいてもらうためにも重要です。
特に夕方・雨天・曇天など、周囲から見えにくい状況では早めの点灯を意識しましょう。
※見えにくい時間帯は早めのライト点灯を意識しましょう
③ ヘルメット|万が一の被害を軽減する
自転車に乗るすべての人には、乗車用ヘルメットを着用する努力義務があります。
警察庁によると、自転車事故で主に頭部を負傷した死者・重傷者では、ヘルメット非着用者の割合が着用者と比べて高くなっています。
「事故に遭わないための対策」とあわせて、事故が起きた場合の被害を軽減する備えも大切です。
第7章|自転車の1.5mルールに関するよくある質問
Q1. 自転車から1.5m空けないと違反ですか?
いいえ。1.5mが法律上の固定された義務になったわけではありません。
警察庁は、できる限り間隔を空け、少なくとも1m程度の間隔を空けることが安全と案内しています。
Q2. 1m空いていれば何km/hで通過してもいい?
1mという数字だけで安全性が決まるわけではありません。
道路幅、自転車の走行状態、周辺交通などに応じて、安全に通過できる速度を選ぶ必要があります。
Q3. 1m取れない場合は何km/hまで落とす?
警察庁は、約1mの間隔を確保できない場合、20〜30km/h程度での運転を目安として示しています。
ただし、これは上限速度を意味するものではありません。状況によってはさらに減速したり、追い抜きを待ったりする必要があります。
Q4. 狭い道路で1m空けられない場合は?
十分な間隔を確保できない場合は、安全な速度まで落とすことが必要です。
対向車などがいて安全に通過できない場合には、無理に追い抜かず、安全なタイミングになるまで待つのが安心です。
Q5. 自転車も左に寄らないと違反になりますか?
道路交通法第18条4項では、該当する側方通過の場面で、自転車等はできる限り道路の左側端に寄って通行しなければならないとされています。
違反した場合、「被側方通過車義務違反」として軽車両では反則金5,000円の対象となる可能性があります。
第8章|まとめ|自転車の追い越しは「1.5m」より距離と速度が重要
2026年4月1日から、自動車が自転車の側方を通過するときのルールが明確になりました。
最後にポイントを整理します。
この記事のまとめ
- 1.5mは法律上の固定義務ではない
- 警察庁は少なくとも1m程度を安全な間隔の目安として案内
- 約1m取れない場合は20〜30km/h程度が速度の目安
- 1m・20〜30km/hはいずれも絶対的な基準ではない
- 普通車の歩行者等側方安全通過義務違反は反則金7,000円・2点
- 自転車側にも「できる限り左側端に寄る」ルールがある
- 安全に通過できなければ、無理に抜かず待つ
「1.5m空ければいい」「1mあれば大丈夫」と数字だけで考えるのではなく、自転車がふらついたとしても余裕を持って対応できる距離と速度を意識することが大切です。
車を運転する人も、自転車に乗る人も、お互いが安全に通行できる余裕を作っていきましょう。
安全対策に役立つアイテム
あわせて読みたい
この記事の主な参考資料
- 警察庁|自動車等が自転車等の右側を通過する場合の通行方法
- 警察庁|自転車ポータルサイト「よくある質問」
- 警視庁|反則行為の種別及び反則金一覧表
- 警視庁|交通違反の点数一覧表
※本記事は2026年8月14日時点の公表情報をもとに作成しています。具体的な違反の成立は、実際の走行状況・道路状況・交通状況などによって判断されます。


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