自転車のブレーキがうるさい!キーキー音の原因と直し方を種類別に解説

メンテナンス

BICYCLE BRAKE NOISE GUIDE

自転車のブレーキから「キーキー」「キュルキュル」「シャリシャリ」と音がすると、 故障ではないか、走り続けてよいのか不安になります。 異音の原因は、ブレーキ面の汚れや水分、消耗品の摩耗、部品の位置ずれなどさまざまです。

ただし、リムブレーキとディスクブレーキでは確認する場所が異なります。 まず音の出方とブレーキ方式を確認し、初心者が安全にできる範囲から順番に点検しましょう。

1 最初に種類を確認

車輪のリムを挟むタイプか、車輪中央の円盤を挟むタイプかで対処法が変わります。

2 清掃より先に異常確認

摩耗、部品の変形、ワイヤーのほつれ、油漏れがある場合は使用を中止します。

3 直らなければプロへ

ブレーキは安全に直結する部品です。原因を断定できない状態で分解を進めないことが大切です。

自転車のブレーキの種類を見分ける

直し方を調べる前に、自転車に付いているブレーキの種類を確認します。 一般的な街乗り自転車では、主に次の2系統があります。

リムブレーキ

車輪の外周部分を挟んで止める

ブレーキシューと呼ばれるゴム部品が、ホイール外周のリムを左右から挟みます。 Vブレーキ、キャリパーブレーキ、カンチブレーキなどが該当します。

  • ママチャリやシティサイクル
  • 一部のクロスバイク
  • リムブレーキ仕様のロードバイク
ディスクブレーキ

車輪中央の金属製ローターを挟んで止める

ハブ付近にある円盤状のローターを、キャリパー内のパッドで挟みます。 ワイヤーで動かす機械式と、オイルの圧力で動かす油圧式があります。

  • クロスバイクやロードバイク
  • マウンテンバイク
  • 一部の電動アシスト自転車

ローラーブレーキやバンドブレーキは構造が異なります。 後輪ハブ付近の大きなカバー内部から音がする一般車は、この記事のリム・ディスク向け手順をそのまま使わず、自転車店で点検してもらうのが安全です。

音の種類から考えられる原因を絞る

音だけで原因を断定することはできませんが、確認する場所の目安にはなります。 安全な場所で前後のブレーキを片方ずつ弱くかけ、どちらから音が出ているか確認してください。

音・症状 考えられる原因 最初に確認すること
キーキー・キュルキュル 水分、汚れ、油分、シューやパッドの硬化・摩耗、取り付け角度のずれ ブレーキ面の状態と消耗品の残量を確認する
シャリシャリ・シュッシュッ リムやローターへの常時接触、ホイールやローターの振れ、キャリパーの位置ずれ 車輪を浮かせて回し、周期的に接触していないか確認する
ガリガリ・ゴリゴリ 異物の噛み込み、摩材の摩耗、金属部品同士の接触 走行を控え、シューやパッドの残量と異物を確認する
雨の日だけ大きく鳴る 水膜、泥、砂などがブレーキ面に付着している 乾燥後も音が続くかを確認し、メーカー指定の方法で清掃する
ブレーキをかけると振動する 部品の緩み、リム・ローターの変形、ホイールやヘッド周辺のガタ 使用を中止し、固定部や車輪周辺を自転車店で点検してもらう
レバーが深い・効きが弱い ワイヤーの伸びや劣化、消耗品の摩耗、油圧系統のエア混入や液漏れ 走行せず、ブレーキ全体の点検を依頼する

直し方を試す前に行う安全チェック

ブレーキの異音は、清掃だけで改善する場合もあります。 しかし、消耗や破損が原因のときに清掃や位置調整だけで済ませるのは危険です。 作業前に次の項目を確認しましょう。

自分で確認しやすい項目

  • 前後どちらから音が出ているか
  • 車輪がまっすぐ固定されているか
  • ブレーキ面に泥や異物が付いていないか
  • シューの溝やパッドの摩材が残っているか
  • 車輪を回したとき常に擦れていないか

作業せず使用を中止する状態

  • ワイヤーがほつれている、錆がひどい
  • ブレーキレバーがハンドル近くまで入る
  • 油圧ブレーキ周辺に液漏れがある
  • ローター、リム、ブレーキ本体に変形や亀裂がある
  • 強い振動、ガタ、金属同士の接触音がある

作業を始める前に、使用中のブレーキ本体や自転車の型番を確認し、 メーカー公式のユーザーマニュアルを優先してください。 製品によって清掃剤、交換限界、調整方法、締付トルクが異なります。

リムブレーキがうるさいときの直し方

リムブレーキでは、リムとブレーキシューの間で発生する摩擦や振動が音につながります。 初心者は、清掃と目視点検までを中心に行い、固定ボルトを緩める調整は取扱説明書を確認できる場合だけにしましょう。

  1. 車輪とブレーキシューの位置を確認する
    車輪が正しく固定され、左右のシューがリムの制動面に当たっているかを見ます。 シューがタイヤ側面に触れている、リムから大きく外れている、片側だけ常に擦れている場合は、そのまま走行しないでください。
  2. 泥・砂・異物を取り除く
    リムとシューの表面を目視し、砂や小さな金属片などが付着していないか確認します。 異物はリムを傷つけることがあるため、無理に押し込まず慎重に除去します。
  3. メーカーが認める方法で清掃する
    まず水で薄めた中性洗剤を布に含ませて汚れを拭き、その後、水拭きと乾拭きを行います。 塗装面やタイヤに強い溶剤を付着させないでください。
  4. ブレーキシューの摩耗を確認する
    シューの溝が見えない、ひび割れ、著しい片減り、硬化がある場合は交換を検討します。 シマノのVブレーキ用ユーザーマニュアルでも、溝が見えなくなるまで摩耗したシューは販売店などへ相談するよう案内されています。
  5. 必要な製品だけトーインを調整する
    トーインとは、車輪の進行方向に対してシュー前側をわずかに先に当てる調整です。 鳴きを抑えられる場合がありますが、すべてのブレーキに同じ数値を使うものではありません。 シマノの一部キャリパーブレーキでは0.5mmが示されていますが、使用中の製品の指定を優先してください。
  6. 低速で前後を別々に確認する
    作業後は交通のない平坦な場所で、前後のブレーキを別々に弱くかけます。 音だけでなく、左右の片効き、レバーの引き代、停止力に異常がないか確認します。

トーイン調整の考え方

調整可能なリムブレーキでは、シューの前側がごくわずかに先に触れるよう指定されている場合があります。 大きく傾けるのではなく、必ず製品マニュアルの図と数値に従ってください。

簡易イメージ:進行方向の前側をわずかに先に当てる。実際の向き・調整値は製品マニュアルを優先。

トーイン調整ができないシューや、指定方法が異なる製品もあります。 固定部を緩めるとシューの高さや向きがずれ、タイヤへ接触する危険があります。 マニュアルを確認できない場合は、自転車店へ依頼してください。

ディスクブレーキがうるさいときの直し方

ディスクブレーキは、ローターやパッドへの油分付着、ローターの振れ、キャリパーの位置ずれなどで異音が出ます。 油圧式は専用工具と指定オイルが必要な作業もあるため、初心者が分解やエア抜きまで行うことはおすすめしません。

  1. ブレーキが十分に冷えてから確認する
    ローターとキャリパーは走行後に高温になることがあります。 停車直後には触れず、十分に冷えてから作業してください。
  2. ローターとパッドへ油分を付けない
    チェーン注油時の飛散、油の付いた布や手袋での接触に注意します。 パッドに油が染み込むと、清掃だけでは制動力や音が戻らず、交換が必要になる場合があります。
  3. 指定された清掃方法を確認する
    シマノの一部マニュアルでは、ブレーキシステムの清掃にイソプロピルアルコール、石けん水、乾いた布を使用し、市販のブレーキクリーナーや鳴き止め剤を使用しないよう案内しています。 「自転車用」と書かれていても、使用中のメーカーが認めているかを確認してください。
  4. パッドとローターの摩耗・変形を確認する
    シマノの一部製品では、パッド摩材が0.5mm以下、ローター厚が1.5mm以下になった場合は使用しないよう案内されています。 これは全製品共通の数値ではないため、ローターに刻印された最小厚や製品マニュアルを優先します。
  5. 車輪を回して接触位置を確認する
    一定の場所だけ「シュッ」と擦れる場合はローターの振れ、常に擦れる場合はキャリパー位置やピストンの戻りが関係している可能性があります。 ローターを手で強引に曲げず、自転車店で点検してもらうのが安全です。
  6. 交換後はメーカー指定の当たり付けを行う
    新しいパッドやローターは、最初から最大の制動力が出るとは限りません。 安全な場所でメーカー指定の手順に従って当たり付けを行い、制動力が徐々に変化することを前提に走行します。

機械式ディスクで確認すること

  • ワイヤーのほつれや錆
  • レバーを引いたときの重さと戻り
  • キャリパーとローターの位置
  • パッド調整機構の指定位置

油圧式ディスクで確認すること

  • レバー周辺やホース接続部の液漏れ
  • レバーがスポンジのように柔らかくないか
  • パッドが片側だけ戻っていない状態
  • 使用オイルの種類とメーカー指定

パッドを火であぶる、強く削る、ローターへ鳴き止め剤を塗る方法は避けてください。 制動面を傷めたり、制動力を低下させたりする可能性があります。 メーカーの手順にない処置は行わず、汚染が疑われるパッドは販売店へ相談しましょう。

自転車店へ相談すべき症状

異音だけで制動力に問題がなく、清掃後に改善するケースもあります。 一方で、次の症状は事故につながる可能性があるため、自分で直そうとせず点検を依頼してください。

  • ブレーキを強く握っても停止力が弱い
  • レバーが急に深くなった、ハンドルに触れる
  • ブレーキ操作時に大きく振動する
  • ワイヤーのほつれ、錆、切れかけがある
  • 油圧ホースやレバー周辺に液漏れがある
  • ローター、リム、フォークなどに変形や亀裂がある
  • 金属同士が擦れるような音が続く
  • 清掃しても異音や引きずりが改善しない

自転車店へ持ち込む際は、「前か後ろか」「ブレーキをかけたときだけか」「雨の日だけか」「いつから発生したか」を伝えると、症状を確認してもらいやすくなります。

ブレーキの異音対策に使う用品の選び方

商品を先に買うのではなく、ブレーキの種類と型番を確認してから選びます。 特にブレーキシューやディスクパッドは、見た目が似ていても互換性がない場合があります。

清掃用品

清潔で毛羽立ちにくい布、薄めた中性洗剤、メーカーが認める清掃剤を用意します。 強い溶剤はゴム・樹脂・塗装へ使用できるか確認が必要です。

清掃用品を確認する

六角レンチ・トルクレンチ

サイズが合わない工具はボルトを傷めます。 固定部を調整する場合は、製品指定の工具サイズと締付トルクを確認してください。

整備工具を確認する

交換用シュー・パッド

車種名だけでなく、ブレーキ本体のメーカー・型番・現在付いている部品番号を確認します。 リム材質やローターとの組み合わせにも注意しましょう。

交換部品を確認する

Amazonリンク先の商品が、すべての自転車に適合するわけではありません。 不明な場合は現物を自転車店へ持参し、互換性を確認してから購入してください。

ブレーキの異音を防ぐメンテナンス

「毎月必ず交換」のように期間だけで判断するのではなく、雨天走行、保管環境、走行距離、坂道の多さに合わせて点検します。

走行前

  • 前後ブレーキが効くか確認
  • レバーの引き代を確認
  • 異音や引きずりがないか確認

雨天走行後

  • 泥や砂をやさしく落とす
  • 清潔な布で水分を拭き取る
  • 乾燥後も音が続くか確認

定期点検

  • シュー・パッドの残量を確認
  • ワイヤーやホースを目視
  • 車輪と固定部のガタを確認

やってはいけないメンテナンス

  • 異音を止める目的でブレーキ面へ潤滑剤を吹く
  • 適合を確認せずシューやパッドを交換する
  • 規定トルクを確認せず固定ボルトを強く締める
  • 油圧ブレーキへ指定外のオイルを入れる
  • 変形したローターを素手で強引に曲げる
  • 異音が消えただけで制動力を確認せず走り出す

自転車のブレーキ音に関するよくある質問

自転車のブレーキがキーキー鳴るとき、最初に何をすればよいですか?

前後どちらから音が出ているかを確認し、シューやパッドの摩耗、ブレーキ面の汚れ、車輪を回したときの擦れを目視します。 制動力が弱い、振動がある、金属音がする場合は、清掃や調整をせず走行を中止してください。

雨の日だけブレーキが鳴るのは故障ですか?

リムやローターに水膜や汚れが付くことで、一時的に音が出る場合があります。 ただし、乾燥後も音が続く、効きが弱い、振動を伴う場合は、摩耗や位置ずれも含めて点検が必要です。

ブレーキへパーツクリーナーを使っても大丈夫ですか?

製品によって異なります。シマノの一部マニュアルでは、イソプロピルアルコール、石けん水、乾いた布を使い、市販のブレーキクリーナーや鳴き止め剤を使用しないよう案内しています。 使用中のブレーキメーカーが認める清掃方法を優先してください。

ブレーキへ油が付いた場合はどうすればよいですか?

走行を控え、メーカー指定の方法でブレーキ面を清掃します。 ディスクパッドなど摩材へ油が染み込んだ場合は、制動力が戻らず交換が必要になることがあります。 不安がある場合は自転車店へ相談してください。

新品の自転車や新品パッドでも音が出ることはありますか?

新品のディスクブレーキは当たり付けが進む過程で、制動力や音が変化する場合があります。 メーカー指定の当たり付けを行っても異音が続く場合や、効きに不安がある場合は販売店へ相談しましょう。

ブレーキシューやディスクパッドの交換目安は?

リム用シューは溝が見えなくなった、ひび割れや著しい片減りがある場合が交換の目安です。 ディスクパッドやローターの使用限界は製品によって異なります。 シマノの一部製品ではパッド0.5mm以下、ローター1.5mm以下を使用しないよう案内されていますが、必ず使用中の製品マニュアルを確認してください。

音がする状態のまま走り続けても大丈夫ですか?

雨天時の一時的な鳴きだけで、制動力に異常がない場合もあります。 しかし、効きの低下、レバー引き代の変化、振動、金属音、常時接触がある場合は走行を中止してください。 音だけでは安全性を判断できません。

ママチャリの後輪ブレーキから大きな音がするときも同じ直し方ですか?

同じとは限りません。一般的なシティサイクルの後輪には、ローラーブレーキやバンドブレーキなど、リムブレーキやディスクブレーキとは異なる機構が使われる場合があります。 ブレーキの種類が分からない場合は、分解や注油をせず自転車店へ相談してください。

参考にした公式情報

参考資料は安全上の一般的な考え方を確認するために使用しています。 実際の交換限界、清掃方法、工具、締付トルクは、使用中のメーカー・製品型番の最新マニュアルを優先してください。

記事制作について: 本記事はメーカー公式マニュアルを確認し、初心者が無理なく確認できる範囲と、自転車店へ任せるべき範囲を分けて構成しています。 実車で検証した内容を後日追加する場合は、車種・ブレーキ型番・作業前後の写真・使用用品・改善結果を明記すると、読者が条件を判断しやすくなります。
この記事を書いた人
Taz Yama

はじめまして!
東京在住の40代サラリーマン、
自転車ライフ研究家の、
Taz Yama(タズヤマ)です。

毎日の生活を「自転車」でちょっとだけ豊かにしています。

様々な自転車の悩みを持つ方へ、
“自転車で迷わない人生”を届けたいと思っています。

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