第1章:2026年からは自転車違反も反則金対象。「知らなかった」では済まされない
2026年4月1日から、自転車の交通違反に対しても「青切符(交通反則告知制度)」が導入されます。これにより、これまで注意や警告に留まっていた違反行為でも、反則金を支払う義務が生じるようになります。
対象となるのは16歳以上の運転者で、スマホを見ながら運転(12,000円)や信号無視(6,000円)など、全113の違反行為が青切符の対象です。
これまで「自転車はクルマほど厳しくない」という考えが通用していた社会通念は、大きく変わります。
第2章:自転車事故の多発とルール無視の常態化が背景
● 自転車事故は年間7万件超え。その多くが違反によるもの
警察庁の統計によれば、2023年の自転車が関与する交通事故は約74,000件。しかもそのうち、約6割が交通ルールを守らないことが原因とされています。
特に以下のような違反が目立っています:
- 信号無視
- 一時不停止
- 車道の逆走
- スマホやイヤホンの使用
- 夜間の無灯火運転
● ルール軽視が重大事故に
近年、死亡事故の中には「歩道を猛スピードで走行した自転車が歩行者に衝突」など、被害者が高齢者や子どものケースも少なくありません。
それでも自転車利用者には、ほとんど罰則が科されないという現実がありました。
このような背景から、警察庁はついに車やバイクと同様に「反則金制度」を適用する方針を決定。2026年4月から全国で一斉にスタートします。
第3章:具体例(Example)|反則金が科される自転車違反一覧(代表例と金額)
警察庁が公表した全113項目のうち、代表的な違反と反則金額を以下の表にまとめました。
【反則金一覧表】
違反内容 | 金額(16歳以上) |
---|---|
ながらスマホ運転(片手操作・注視) | 12,000円 |
信号無視 | 6,000円 |
一時停止違反(止まらず交差点進入など) | 5,000円 |
通行区分違反(歩道の不適切通行、逆走) | 6,000円 |
ブレーキ不良の整備不良自転車の運転 | 5,000円 |
傘差し運転(視界不良・片手運転) | 5,000円 |
イヤホン・ヘッドホン使用(両耳ふさぎ) | 5,000円 |
夜間の無灯火走行 | 5,000円 |
二人乗り(幼児2人同乗基準を超える場合) | 3,000円 |
並走(二人で横に並んでの走行) | 3,000円 |
※ 赤切符(刑事罰)対象の違反(飲酒運転・ひき逃げなど)は除外されています。
第4章:さらに詳しく|「青切符」と「赤切符」の違いとは?
種別 | 内容 | 処分内容 |
---|---|---|
青切符 | 軽微な違反(信号無視・スマホ操作等) | 反則金を支払えば刑事処分なし |
赤切符 | 悪質または重大な違反(飲酒運転・ひき逃げ等) | 検察送致→略式起訴または正式裁判へ |
青切符の違反はあくまで「軽微な違反」と位置づけられますが、反則金を期日内に支払わなければ刑事事件として送致される場合もあります。
第5章:対象者と注意点|高校生・大学生・配達員も対象に
● 対象年齢は16歳以上
高校1年生から対象になるため、通学自転車のマナーがより一層問われるようになります。
保護者の方は、子どもにルールの確認と指導を行うことが求められます。
● フードデリバリーや配達業務も要注意
急ぎがちなデリバリー業務でも「信号無視」「一時停止違反」などは取り締まり対象です。業務中であっても反則金が科されます。
第6章:ルール遵守があなたと社会を守る
青切符制度の導入は、単に罰金を徴収するためではありません。命を守るルールを守らせるための手段です。
今後、自転車も「車両の一種」として見られ、「誰も見ていないから」「急いでいたから」では通用しない時代になります。
自転車は便利な乗り物ですが、扱いを間違えれば歩行者にとって凶器にもなり得ます。ルールを守り、安全な運転を心がけましょう。
第7章:まとめ|青切符制度のポイントを再確認
項目 | 内容 |
---|---|
実施開始 | 2026年4月1日 |
対象年齢 | 16歳以上(高校生も対象) |
違反行為数 | 113項目(軽微なものから重大なものまで) |
反則金額 | 3,000〜12,000円 |
代表的違反 | スマホ操作、信号無視、一時不停止、無灯火、イヤホンなど |
赤切符対象 | 飲酒運転、ひき逃げ、悪質な無免許運転など |
支払期限 | おおむね14日以内 |
支払しない場合 | 検察送致・刑事罰の可能性あり |
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