東京証券取引所スタンダード市場に上場しているメタプラネットは8月20日に5億円相当の仮想通貨ビットコインを追加購入したことを発表しました。これにより同社の株価は前日比約10.9%上昇しました。なぜメタプラネットはビットコインを購入し続けるのでしょうか?
メタプラネットはいつからビットコインを購入しているのか?
メタプラネット(Metaplanet)がビットコインを購入した時期について、具体的な詳細は公には明らかにされていません。メタプラネットはSkypeの共同創業者であるヤン・タリン(Jaan Tallinn)が設立した投資ファンドで、主に技術革新や未来のテクノロジーに焦点を当てた投資を行っています。
一部の報道や情報によると、ヤン・タリン自身が2010年代初頭からビットコインに興味を持ち、個人としてビットコインを保有していることが知られています。しかし、メタプラネットとしてのビットコインの購入については、具体的な時期や規模に関する公式な発表はありません。
そのため、ビットコインの購入時期や量については憶測の範囲を超えることは難しいですが、同様の投資ファンドがビットコインを購入し始めたのは、一般的には2017年から2021年にかけての時期であることが多いです。これはビットコインの価格が急騰し、主流の投資対象として認識され始めた時期に相当します。
もしメタプラネットも同様のタイミングでビットコインに投資したと仮定すると、2017年から2020年にかけての間に購入を開始した可能性が考えられます。
なぜメタプラネットはビットコインを購入するのか?
1.資産保全とインフレヘッジ
ビットコインは「デジタルゴールド」としても知られ、インフレヘッジの手段としての役割が期待されています。従来の通貨と異なり、ビットコインの供給量は2100万BTCに制限されており、その希少性から長期的に価値が上昇する可能性があると見なされています。メタプラネットがビットコインを購入することで、従来の通貨のインフレリスクに対する保険をかけ、資産を保全する狙いがあると考えられます。
2.分散投資
投資ファンドにおけるリスク管理の基本は、ポートフォリオの分散です。ビットコインは従来の資産クラス(株式、債券、不動産など)と異なるリスク・リターン特性を持っており、ポートフォリオに組み入れることで、全体のリスクを分散させる効果があります。特に、技術革新や新興市場に強い関心を持つメタプラネットにとって、暗号通貨市場への参入は自然な選択といえます。
3.テクノロジーへの信頼と未来志向
メタプラネットの創設者、ヤン・タリンはSkypeの共同創業者であり、テクノロジーの未来に強い信念を持つ人物です。ビットコインはブロックチェーン技術を基盤とした最も成功した暗号通貨であり、その技術は金融システムの将来に影響を与える可能性があります。メタプラネットは、この技術の潜在的な価値に賭け、早期にビットコインを購入することで、将来の技術革新の波に乗る意図があると推測されます。
4.規制や市場の成熟度を見越した先行投資
暗号通貨市場は、特に近年、より成熟しつつあり、多くの国で規制が整備され始めています。これにより、ビットコインや他の暗号通貨が主流の金融資産として認知されつつあります。メタプラネットがビットコインを購入する理由の一つは、この市場の成熟を見越した先行投資である可能性があります。早期に市場に参入することで、規制の整備後に訪れるであろう大きな成長の恩恵を享受しようとする狙いが考えられます。
5.エコシステムの成長支援
メタプラネットは、テクノロジーや革新に関するさまざまなスタートアップ企業やプロジェクトに投資を行っています。ビットコインを保有することで、暗号通貨エコシステム全体の成長を間接的に支援する意図があるかもしれません。これにより、ブロックチェーン技術や関連するスタートアップの発展を促進し、自身の投資ポートフォリオ全体の価値を高める効果が期待されます。
ビットコインの魅力
弱まる円を保持する代わりにビットコインを継続的に増やす
メタプラネットは今回の取り組みの要因として、日本の「過度な債務水準」「長期にわたる実質マイナス金利」「その結果としての円安」をあげ、「弱まる円を保持する代わりにビットコインを継続的に増やすこと」を目指しているとした。
特に、債務残高がGDP比261%と先進国で最も高い水準にある状況は「国家通貨の価値を下げる長期にわたる金融緩和を必要としています」と指摘しています。円安を必要としつつ、下落を抑えるために介入していることは「持続不可能な金融パラドックスの二重の束縛」と記している。
メタプラネットのビットコイン保有残高は、5月10日のリリースによると、117.7217BTCにのぼる。平均購入価格は1019万3536円、購入総額は12億円。
展開してきたホテル事業が新型コロナウイルスの影響を受け、新規事業のWeb3およびメタバース関連事業も早期の収益化が難しいなか、「ビットコインに焦点を当てた企業戦略に方向転換」した同社の取り組みは、ビットコイン保有で知られる米上場企業マイクロストラテジー(MicroStrategy)の戦略を倣ったものとも言えるだろう。リリースには「メタプラネットをグローバルにビットコインに焦点を当てた投資ビークルとして世界的に位置づけます」とある。
メタプラネットの株価は、4月上旬に約9億円のビットコインをバランスシートに追加すると発表した後、それまでの19円付近から直後には40円を超える水準まで上昇。当記事執筆時点では30円付近となっている。
まとめ
企業でもビットコインの話しが持ち上がるようになってきています。ビットコインが暴騰する7年前の2017年には考えられなかったことです。日本円を預金することも大事ですが、これからの数年後、ビットコインをあの時に買っておけばよかったと後悔しないように、余剰金で少しずつ私もビットコインを引き続き購入していこうと思っています。
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